I'm lovin' U

Monday, December 12, 2005

第9話 重G2

バスはゆっくりと港の方へ向かって静かに動く。
うちらの手はお互いをしっかりと握って、離すことはなかった。
離れることのできない思いがお互いの行動となって表れる。
10分くらいで目的地に到着。目の前に見える観覧車を目指してうちらは歩いた。
何故か同じ場所に観覧車が二つある。福岡の謎?かもしれない。
平日の昼ということもあり、周りには2~3組ほどのカップルしかいなかった。
うちらはチケットを買い早速観覧車に乗り込む。
観覧車の中というのはただの個室ではない。
いろんな人の思い出を詰め込んだ個室ともいえるだろう。
告白する人、昔を振り返る人、観光客、修学旅行生・・・etc
気になったりするのが自分たちの乗ったボックスの数字や名前。
大抵乗る時は見てなかったりして、乗ってる間に前後の数字で確認する。
うちらは景色を眺めてカップルお決まりの あれ をする。
そう、写真だ。便利なことにカメラが手元になくても携帯で撮れる時代。
徐々に高度が上がり頂上に近くなり福岡タワーが見えてくる。
そして俺はこの初デートで確認した自分の思いを相手に伝えた。
離れたくない思いが時をより早く感じさせる。あっという間に一周し終わる。
学校での授業終了までの残り10分はあんなに長く感じるのに、
デート中の1時間は1分ほどに感じてしまう。
彼女の友達が博多に迎えにくる時間までもう1時間ほどしかなかった。
うちらは急いでバスで駅に戻り、最後の電車に乗る。
乗り継ぎがうまくいって、電車もすぐにきた。
彼女は疲れていて、電車で抱いてあげるとすぐに眠った。
久しぶりに肩が重かった。俺は大切な者を乗せてる肩で幸せを感じた。
電車はそれでも博多に向かっていく。一つまた一つと駅に停車していく。
アナウンスで博多を知らせる放送。俺は彼女を起こす。
楽しくて幸せな思い出は別れの時に辛さへと変わる。
足取りが重かったがしっかりと彼女の手を引っ張り駅から出た。
結果的には遅刻。彼女の友達から電話が入りそこでデートは終わった。
交わす言葉が無くなったが、最後はキスだった。
二つのストラップは別々の場所へ離れていった・・・また会おう